今日の生徒さんはLogicで作曲をしたいとのことです。では手始めにGaragebandの基礎を学びましょうか、という事になりました。しかし、想像以上にレベルの高い方で、すでにLogicで曲を作っていました。
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「では何も問題ない、もう出来るではないですか。」
めでたしめでたしとなるかと思いきや、
「これはただコンピューターが作ったリズムに乗せて、フレーズがいくつかループしているだけであり、これが作曲なのか不安です。先生はどうやって作曲をしているのですか。音楽は降ってくるんですか。」
という話になったのです。
私はiPadのGaragebandを開いて、ひとつ簡単な曲を作ってみました。
「このように、何も考えずにパパッと作曲することは出来ます。でも私はこれを面白いとは思いません。私が好きなのはこれです。」
と言ってふたつの機械を出して見せました。
私はこのふたつ、EHX95000と、DSI TEMPESTを使った曲作りが中心で、それ以外をあまり面白いと思わない、という話をしました。これ以外で使うならスウェーデン製のElektronのシリーズです。
そして実際のところ私は作曲する際に何も考えておらず、電源を入れて音を出すだけです。
そこで私は彫刻家のミケランジェロがどうやって大理石を掘って作品を作り出しているか、という有名な話をしました。
「作品はすでにある。私は余分な大理石を取り除いているだけです。」
音楽もこれと同じで、
「音楽はすでにある。」
ので、心を開いてそれを捕まえることが大事だという話をしました。
もうひとつグレン・グールドの話。もし彼がピアノを教えるならどうやって教えるかと尋ねられた時の話です。グレンは私はピアノを教えることはできないとした上で、
「演奏を録音させてその演奏を自分で聴いてもらう。そしてそれを自分はどう思うのかと自問してもらうだろう。」
作曲も同じだと思うのです。
今の時代、曲なら自分でいくらでも作れます。作ったその曲を自分はどう思うのですか。そこを自問することが大切だという話をしました。
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